被害届を取り下げたい!手続き方法・期間と取り下げ後の影響を解説

被害届基礎知識
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友人や配偶者などから暴行などの被害を受け、被害届を出したものの、加害者が身近な人だと被害届を出してしまったことを後悔してしまうこともありますよね。

本人が心から反省しているようであれば、「やっぱり被害届を取り下げたい」という気持ちが出てきてしまうのも無理はありません。

もちろん一度被害を受けた以上、被害届の取り下げはごく慎重に行うべきものです。

この事を念頭におき熟慮されたうえで、どうしても被害届を取り下げたい!という方のために、今回は被害届の取り下げ方や、被害届を取り下げたらどうなるのかを具体的にご紹介していきたいと思います。

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被害届取り下げの手続き方法

一度は被害届を出したものの、やっぱり被害届を取り下げたい…という場合、具体的にはどのような手順で取り下げの手続きを行っていけば良いのでしょうか?

示談に応じる

まず被害届を取り下げる一つの方法として挙げられるのが、加害者からの示談に応じるということです。

示談とは、「民事上の紛争を、裁判によらずに当事者間で解決する」ということです。
つまり、配偶者や友人などの加害者側と被害者側であるご自身同士の話合いによって解決を図る手段です。

示談を両当事者が合意する必要がある

示談によって解決するためには、加害者と被害者両方の合意が必要です。

通常、加害者側は被害者に対して誠意を持って謝罪をし、さらに示談金の支払いを行います。
これに対して被害者側は、加害者を許し、被害届を取り下げます。

この、加害者から被害者に対する謝罪と示談金支払いと、被害者の被害届取り下げに対して、両当事者が合意することで、示談による解決が可能となります。

示談の内容、示談金を確認する

示談は、裁判による解決と比べて、被害者と加害者の当事者同士の話し合いによる柔軟性の高い解決方法です。
そのため、示談の内容は、基本的には当事者同士の話し合いにより決めることとなります。

示談金の金額に関しても、

  • 被害者が受けた損害と同額
  • 被害者が受けた損害を上回る金額

などと、加害者と被害者との話し合いによって自由に決めることができます。

もちろん示談の成立と被害届の取り下げが、同じタイミングでなくても構いません。
加害者側の謝罪の意思や示談金の支払いを確認した後で、被害届を取り下げることも可能です。

警察に行き手続きをする

無事に示談が成立した後は、警察署に行き、「被害届取り下げ願い」の書類を提出する必要があります。

電話での取り下げはできない

被害届の取り下げは、警察署に直接行って書類を提出する必要があります。
警察署に電話をし、「被害届を取り下げてください」という旨を伝えるだけでは、被害届を取り下げることはできません。

もっとも書類上で被害届取り下げの手続きをしておいたほうが、後日「本当に被害届を取り下げてくれたのか?」などと加害者側とのトラブルにもならないので安心ですね。

警察署に行き取り下げの書類に書く

警察署に行き、「被害届を取り下げたいのですが…」と伝えれば、「被害届取り下げ願い」の書類をもらうことができます。

書類をもらったらその場で記入し提出することもできますが、事前にパソコンなどを使って自分で作成したものを提出しても構いません。

「被害届取り下げ願いの書類」に記入する必要がある内容は以下の通りです。

  • 被害者本人の住所
  • 被害者本人の氏名(氏名の横に押印が必要)
  • 加害者本人の氏名
  • 事件名
  • 被害届を取り下げる旨の記載
  • 提出する日付
  • 提出する警察署名

加害者側と弁護士を通して示談を行っていた場合には、この被害届取り下げの手続きも弁護士が代理で行うことになります。
被害者の方は、弁護士が作成した「被害届取り下げ願い」と被害者が弁護士に委任したという旨の「委任状」に署名、捺印するだけです。

警察署に行って手続きを行う必要などもないので、ご自身で警察署に行ったり手続きを進めることに不安を感じられる方は弁護士に依頼することをオススメします。

ポイント

  • 示談が成立したら、警察署に「被害届取り下げ願い」を提出する。
  • 示談の成立には、加害者と被害者の両当事者の合意が必要。
  • 警察署への電話では被害届を取り下げることはできない。
  • 弁護士に委任すれば、署名・捺印のみ警察署に行く必要はない。
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被害届を取り下げるのに期間はあるの?

せっかく示談が成立し、被害届を取り下げるという意思が固まったのに、被害届の取り下げを受理してもらえる期間が過ぎてしまっている…なんてことになってしまっては大変です。

では、被害届の取り下げが可能な期間とはどのくらいなのでしょうか?

被害届取り下げに明確な期間は存在しない。

被害届の取下げには、基本的に明確な期間は定められていません。

しかし、そもそも被害届の取り下げというのは、「被害者が被害を受けたという事実の申告を撤回する」ということです。
そうなるともちろん、検察官の起訴や裁判官の判断に影響を及ぼすことになります。

そのため、被害届の取り下げによって何を目指したいのか?を考えてみてください。
具体的には、

  • 不起訴
  • 量刑の軽減
  • 保釈

などを目指して被害者の取り下げを行う場合、それに間に合うタイミングで提出することが必要になります。

告訴された場合は期限がある

ただし、告訴の場合は取り消し期限が存在します。

刑事訴訟法第237条第1項に、「告訴は、公訴の提起があるまでこれを取り消すことができる。」と明記されています。
つまり、起訴状が裁判所に受理されるまでに取り消しを行う必要があります。

ポイント

  • 被害届の取り下げには、基本的には締め切りはない。
  • 被害届の取り下げにより何を求めるのかにより、それに間に合うタイミングで取り下げることが必要。
  • 告訴の場合、取り消しは起訴状が裁判所に受理されるまで。
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被害届を取り下げ後はどうなるの?

では、実際に示談によって解決を進め、警察署に「被害届取り下げ願い」を提出することによって、被害届を取り下げた後はどうなるのでしょうか?

原則不起訴になる

被害届を取り下げた場合、原則的には不起訴になります。
ただし罪の内容によっては検察による起訴もあり得ることを覚えておいてください。

親告罪の場合は不起訴

親告罪は、告訴がなければ起訴することはできません。
そのため親告罪の場合は不起訴、つまり罪に問われることはありません。

「親告罪」とは、器物損害罪や名誉毀損などの犯罪で、被害者が存在し、被害者の告訴がなければ起訴できない犯罪を言います。

非親告罪または前科があれば、検察による起訴がありうる

親告罪に対して、被害者からの告訴がない状態でも起訴することができる犯罪のことを非親告罪と言います。

前述のように親告罪で起訴するためには告訴が必要なので、被害届を出している事件は非親告罪であるケースが多く見られます。

その場合、被害届を取り下げた後でも、加害者に対する処罰を行うかどうかは、警察や裁判所の判断で決められることになります。

もっとも、被害者が加害者に対して処罰を求める意思がないということを判断材料の1つとして、基本的には不起訴になる場合が多いです。
しかし事件の内容によって、もしくは加害者に前科がある場合には、必ずしも不起訴になるとは限らないということを覚えておいてください。

ポイント

  • 原則不起訴になるが、非親告罪の場合や加害者に前科がある場合は、起訴される可能性もある。
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被害届を取り下げた場合前科はつくの?

被害届を一度は提出したものの、加害者が配偶者や友人である場合、前科がついてしまうのかどうかは気になるところだと思います。

では、被害届を取り下げた場合でも、加害者に前科はつくのでしょうか?

取り下げられて、不起訴であれば前科はつかない

「前科」とは、裁判による確定判決で刑の言い渡しを受けた事実を指します。
そのため、被害届を取り下げて不起訴となれば、前科がつくことはありません。

前歴がつく

「前歴」とは、捜査機関によって被疑者として捜査対象となったという履歴のことを指します。
そのため、被害届を提出し受理された時点で、前歴として捜査機関にその履歴は残ってしまいます。

ちなみに、「前歴」は捜査機関の内部資料です。一般人に公開されるものではありません。

ポイント

  • 被害届を取り下げたことで不起訴となれば、「前科」はつかないが、「前歴」はつく。
  • 「前科」は、裁判によって刑の言い渡しを受けたという事実。
  • 「前歴」は、警察の捜査対象となったという履歴のこと。
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まとめ

相手が誰であっても、被害を受けたことによる傷を簡単に癒すことは難しいものです。

とはいえ、加害者が配偶者や友人であった場合、被害届を一度は提出したものの、やっぱり取り下げたい…と考えられる方も多くいらっしゃいます。

被害届を取り下げたほうが良いのかどうか、なかなかご自身で判断しにくい場合は、弁護士に一度相談してみてはいかがでしょうか?

事件の内容や被害者様の意思を確認した後、被害届の取り下げを進める場合、弁護士に委任することで、書類の作成も警察署に出向くことなく終わらせることができます。

被害届の取り下げをご検討されている方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

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