痴漢で逮捕されたら。示談金の相場と示談書の書き方




痴漢とはどのような犯罪を指すか

「痴漢」と聞くと満員電車内で女性の体に触る犯罪だというイメージがありますが、実際は様々な種類に分類することができます。

所謂「痴漢」と聞いて真っ先に思い浮かぶ、衣服の上から触るものは、迷惑防止条例違反に当たります。犯行を認めれば逮捕されることはなく、その日に警察署で供述調書を作成すれば解放されることになるため、会社に知られる心配はありません。

満員電車などの人が多い場所では、意図せず近くにいる女性の体に触れてしまうことがありますが、これは当然痴漢には当たりません。

ただし触れた手をそのまま押し付けることは痴漢になり、このようなケースで警察に検挙される例も少なくありません。また、同一の女性をターゲットにして連続して痴漢を行った場合は悪質だとみなされ、検挙された場合は逮捕されることもあります。

痴漢の中でも、下着の中にまで手を入れると強制わいせつ罪に該当することになります。発覚して検挙されれば、逮捕され留置所で身柄を拘束され、取り調べを受けることになります。

強制わいせつ罪の痴漢は極めて悪質であるとみなされるため、勾留も長期化することが多く、ほぼ確実に会社に事件のことが知られてしまいます。仮に事件が会社に伝わらずとも、勾留されていれば当然会社を無断欠勤することになるため、それを理由に解雇されることも多いです。

また、強制わいせつ罪は刑法改正により非親告罪となったため、被害者との示談が成立したとしても必ず不起訴になる訳ではなくなりました。また、性犯罪の厳罰化が進んだことで、前科があれば実刑の可能性もあります。それだけに示談が非常に重要な焦点となっています。

示談の重要性と、弁護士に依頼する意味

痴漢事件では、示談の有無が非常に重要になってきます。仮に逮捕されたとしても示談が成立すればその後の刑事手続きで有利になることがあるのです。

そもそも示談とは、当事者の合意で和解する方法です。刑事事件では当事者同士で示談が成立したとしても、犯罪を行ったことには変わりないため、犯罪に問われなくなる訳ではありません。しかし示談が済んでいることで被害届が取り下げられたり加害者側が「反省している」という印象を与えることができます。また、示談の成立は被害者の処罰意思がなくなったことを意味します。これらによって処分が軽くなることを期待することができるのです。

示談交渉は弁護士に依頼するのが一般的です。加害者本人と被害者本人が直接顔を合わせて示談するとなれば、感情が邪魔をして冷静な話し合いができなくなってしまうからです。また、痴漢事件の場合は、特有の事情によってより弁護士の役割が大きくなります。

痴漢事件の被害者は、加害者と面識がないことがほとんどです。つまり示談交渉をしようと思っても、被害者がどこの誰なのか、加害者は分からないのです。当然検察官や警察官は、被害者の情報を加害者には教えてくれません。性犯罪の場合はなおさらです。

そこで弁護士が登場するのです。以来を受けた弁護士はまず検察官に連絡し、被害者の連絡先を教えてくれるよう依頼します。被害者が了承すれば検察官から連絡先が伝わり、示談交渉が行えるようになるのです。

被害者が未成年の場合も、弁護士の役割は必然的に重くなります。被害者が未成年の場合、示談交渉を行うのは本人ではなく、被害者の両親です。大切なわが子を傷付けられた怒りは当然すさまじく、加害者本人では話し合いになりません。

そこで弁護士が誠意を尽くして代理人として交渉することが、示談へ至る道となるのです。

示談金の相場と示談書を作成する際の注意点

痴漢事件の示談金の相場は、30万円前後と言われています。ただしこれはあくまで相場であり、行為態様や悪質性、被害者感情によって前後します。10万円で示談が成立することもあれば、100万円以上の示談金が必要になることもあるのです。

また、場合によっては事件を起こした電車を特定の時間は使わない、あるいは普段使っていない路線であれば今後は使用しないようにするなど、付随的な条件を示談内容に組み入れることもあります。

示談は口頭であっても、お互いの同意があれば成立します。しかし後になってトラブルにならないためにも、示談書を作成し、示談の成立を書面で残しておくことが重要になります。

示談書は素人であっても作成することができますが、1から作成するのは難しいため、テンプレートを利用すると良いでしょう。示談書は通常2部作成し、加害者と被害者がそれぞれ保管します。

痴漢のような性犯罪では、被害者の要望に対し細かく気を配ることが大切です。示談内容に誤りがないか、示談金額や支払い方法に間違いはないかは最低限確認し、必ずお互いのサインと押印が入っていることをチェックしなければなりません。

示談書の記入を誤ったばかりに、示談に意味がなくなってしまうこともあります。それを避けるために、自分で作成する場合も必ず弁護士に一度内容を確認してもらいましょう。

そもそも、当事者同士で示談するのは、被害者心理からして非常に困難を伴いますので(被害者に会うこともできない)、示談交渉は弁護士に依頼するとよいでしょう。




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