禁錮と懲役の違い。刑の重さや生活はどう違う?

Stasi-Gefängnis Hohenschönhausen

禁錮と懲役の違い

刑事裁判で下される判決には生命刑、自由刑、財産刑の3種類があります。日本における生命刑とはそれすなわち死刑のことで、罪を犯したものの生命を奪う刑罰のことです。極刑といった婉曲的な言い方がなされる時もあります。財産刑とは有罪となった人の財物や金銭を奪う刑で、お金を奪う罰金や科料、物品を奪う没収がこれに当たります。

自由刑とは、人の身体の自由を奪う刑罰のことです。刑務所や拘置所などに収容され、生活に大幅な制限を受けることになります。自由を制限するから「自由刑」と呼ばれるのです。

自由刑には禁錮、懲役、拘留の3種類が存在します。最も刑が軽いのが拘留で、1日以上30日未満の期間とされています。

禁錮と懲役は、共に30日以上20年以下の期間刑事施設に拘置されることになります。では両者の違いは何かというと、拘置されている間の労役義務の有無です。

禁錮は刑事施設に収容され身柄を拘束されますが、労役義務は科せられません。対して懲役の場合は労役義務が科せられるのです。拘束された上で労働を強制されるのですから、懲役の方が禁錮よりも罪が重いように感じられます。

実際に刑罰の重さを考える時も「懲役の方が、禁錮よりも罪が重い」と考えるのが一般的です。

ただし実際に禁錮刑の方が楽かというと、話は違います。人間、何もやることがないと次第に退屈に耐えられなくなっていくものです。

気晴らしに散歩に行くこともできません。禁錮刑はまさしく自由を奪う刑罰と言えるのです。

ただし、禁錮刑の受刑者であっても、自発的に申し出ることで刑務作業を行うことはできます。

禁錮刑や懲役刑の執行猶予、無期刑、仮釈放

執行猶予

禁錮刑には執行猶予が付くことがあります。執行猶予とは、判決によって定められた刑の執行を一定期間猶予するというものです。犯罪の理由などいろいろなことを加味し、情状酌量の余地ありと判断された場合に設定されることがあります。

その一定期間は刑務所などの隔離施設ではなく、普段の生活を送ることができます。普段通りの生活の中で更生を図らせよう、という制度なのです。

初回の執行猶予判決は「三年以上の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金」を言い渡された場合とされています。

無期刑

禁錮刑や懲役刑には無期刑が設定されています。ただし無期禁錮は内乱罪や爆発物使用剤、爆発物使用未遂罪にのみ定められている特殊なものなので、戦後の憲法が発布されていらい、無期禁錮が言い渡されたことはありません。

無期刑と聞くと一生を刑務所で過ごすというイメージがありますが、正確には期間を決めずに刑事施設に収監される刑となります。混同される言葉に「終身刑」がありますが、これは日本の刑法には存在しない言葉です。無期刑であっても刑罰の減免措置や恩赦、改悛の情がある場合は仮釈放が認められることがあります。

仮釈放

仮釈放が認められるのは、有期刑であっても同じです。刑期の3分の1を経過した時に、一定の条件で釈放されます。

どんな犯罪を犯すと禁錮刑・懲役刑が科されるのか

具体的にどのような罪を犯すと、禁錮刑が科されるのでしょうか。

刑法によって禁錮刑が設定されている犯罪は数多くありますが、大半は懲役刑も併記されています。すなわち禁錮刑になるか懲役刑になるかは、裁判官の判断に委ねられているのです。

禁錮刑は、古くは政治犯や過失犯に科されるものであるという考えがありました。現在でもその名残があり、内乱罪などの法定刑には懲役が設定されていません。また選挙犯罪や過失による犯罪は、禁錮刑が出やすいと言われています。

これは刑期が長期化することが少ないという理由も影響しています。政治犯罪と聞くと不穏に聞こえますが、代表的なのは選挙違反です。過失による犯罪で代表的なのは交通事故でしょう。

交通事故は通常罰金刑で終わることが多いのですが、被害者に非常に重い後遺症が残った、あるいは死亡してしまった場合は刑務所に行くような刑罰が科されることがあります。

ただし、近年では自由刑といえば懲役が科されるケースが多く、禁錮刑が言い渡されることは減ってきています。また、禁錮刑を言い渡されたとしても、収監されている本人が刑務作業を希望するケースも多く、両者の違いは小さくなってきていると言えるでしょう。

禁錮刑を回避するには

Anwalt im Büro

禁錮刑をはじめとする自由刑は、刑務所に身柄を拘束されることになります。そして一度収容されてしまえば、基本的には刑期を終えるまで自分の意思で行動することはできなくなります。

確かに懲役刑よりは軽い刑罰と言えるかもしれませんが、自由を奪われるという点では変わりません。何より何年も刑務所に入るとなれば家族や友人たちと離れなければならない上、社会からも遠ざかることになります。

禁錮などの実刑判決を免れるためには、逮捕後すぐに弁護士に相談することが重要です。取り調べでどのように答えればいいかアドバイスを受けることができますし、捜査を受ける際の対応で検察官の判断も変化します。仮に裁判になったとしても、執行猶予を獲得できる可能性も出てくるのです。

被害者がいる場合は特に弁護士への依頼が重要になります。被害者との間で示談が成立すれば刑が軽くなることが期待できますし、親告罪の場合は起訴前に告訴を取り下げてもらうことも可能になります。

ただし加害者本人や家族が出向いたとしても、被害者との話し合いは難航するでしょう。また加害者と被害者の接触が禁止されていることも多いです。その点、弁護士であれば法律の知識を持った第三者として、冷静に話し合いを進めていくことが可能になります。

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