傷害事件を起こした場合に弁護士に依頼するメリット及び刑事事件への影響

刑事事件

傷害事件とは?

傷害事件とは、刑法第204条以下に規定されている傷害罪の構成要件に該当すると思われる行為をおこなった場合のことをいいます。

具体的には人を暴行して結果として、擦過傷などの傷を負わしてしまった場合のほかに精神的に追い込んでノイローゼにしてしまうような事案も考えられます。

この傷害事件を起こしてしまった場合については傷害罪は親告罪ではないため、被害者の訴追の意思がなくても起訴できる事件となります。

ですので、事件を警察が認知した場合には被害者の意思に反しても捜査し、逮捕起訴することが可能となります。

ただ、実際には被害者が警察に被害届を出すということで事件が認知されることが多いので被害届を受けて警察が動き始めることとなります。

相撲の暴行事件でも、被害届を出したことで捜査が始まったのは記憶に新しいことです。

逮捕後,取調べが始まる

この警察が捜査を始めて、被害者が加害者を処罰してほしいという思いが強い場合には、証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合には最悪の場合逮捕されてしまいます。

そして、取り調べを受けることとなります。しかし、逮捕取り調べの場面ではまだ国選弁護人は基本的には付きませんし、逮捕されていない場合には付かない制度となっています。

しかし、逮捕されている場合には警察は72時間以内に検察に身柄と証拠を送致する必要があるのですが、それまでに被害者と接触しある程度、処罰感情を和らげることができ被害届を取り下げさせるところまでいけばよいです。

そこまでいかなくとも厳罰に処する意思まではないところまでもっていければ、検察官のところで起訴猶予という形で刑事訴訟手続から離れ、刑罰を課されない状況が生じる可能性が高まるのです。

弁護士のサポートを受けた方が有利

このような手続きをスムーズに進めるためには、この警察の捜査の段階で私選で弁護士を選任して対応を依頼するのが有利なのです。

刑事事件での弁護士選任となると、民事事件のように相手からお金を取るという要素がないため費用が若干高くなるのは事実です。

その費用の内訳としては、相談料、着手金、そして身柄が拘束されている場合には警察において接見を行うための接見費用、そして不起訴等に持ち込んだ場合の成功報酬などで、大きいものであれば着手金が30万から50万円程度、成功報酬が30万円から50万円程度となり、相談料と接見費用は1回につき1万円程度という試算をしておく必要があります。

※刑事弁護士費用の詳細は、下記の記事を参考にしてください。

この金額を見ると検察官に起訴された後に国選弁護士を無償でつけてもらえるのだからそれでよいのではということが頭をよぎりますが、日本の刑事司法においては起訴された事件の有罪率は99%であり、無罪となるのは絶望的な状況となっています

また、身柄の拘束や裁判への出廷などで仕事を失ったり、家族と会えないという状況が生じ、生活への悪影響は大きいものとなります。

傷害事件は被害者の意思により起訴するか否かに影響を与えうる事件類型であることからすると、早期に弁護士を選任し、身柄が確保されている場合には早期に接見して防御の方針を定め、被害の相手方との示談交渉を早期に実施してもらい、話をまとめてもらうという段取りを依頼するのが傷害事件への対応としてはよいものとなるでしょう。

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