【初心者向け】刑事事件弁護士の選び方8つのポイント【選択基準を公開】

選び方弁護士

刑事事件の選び方を、紹介します。刑事事件はスピードが命と言われます。逮捕から48時間で勝負が決まるので、弁護士選びは、熟慮する余裕がありません。

弁護士は「私選弁護人」と「国選弁護人」の2つに分けることができます。今回は、私選弁護人の選び方の解説記事です。

刑事事件の結果は弁護士の力量に大きく左右されます。後悔しない弁護士選びの方法をまとめると下記のポイントになります。

刑事事件弁護士の選び方8つの基準

  • ①弁護士事務所の解決実績が多数(2,000件以上が望ましい)
  • ②使命感や情熱がある弁護士
  • ③スピーディーな対応ができる弁護士事務所
  • ④相談者とコミュニケーションがとれる弁護士
  • ⑤刑事弁護委員会などの外部団体での活動をしている弁護士
  • ⑥元検事の弁護士
  • ⑦依頼者に寄り添える
  • ⑧ホームページで刑事事件の弁護士費用を提示している事務所

①弁護士事務所の解決実績が多数(2,000件以上が望ましい)

弁護士は、誰でも刑法、刑事訴訟法をマスターしています。でも、たくさんの人間の手で造られる現実の検査・裁判の全てが六法や法律書に書かれているわけではありません。OJT、つまり仕事は現場で覚えさせるのが一番とは、刑事弁護も同じです。

我国は、起訴するか否か、検察が非常に広い裁量を持っています。起訴されれば、ほぼ100%が有罪です。有罪か否かは、裁判前に決まっているのですから、起訴・不起訴の分かれ目が決定的に重要です。

不起訴を勝ち取るために何をする必要があるかは実際の経験を通じてしか体得できません。刑事事件に強い弁護士の第一条件は、刑事事件の「場数を踏んでいる」ことです。

これは病院選びにも似ています。心臓や腰の手術をどこに頼むか?と考えた時には、

  • 専門医がいるか?(なんでもできるドクターXのような外科医は現実にはいません)
  • この病院には、専門医が何人いるか?
  • 「手術件数」はいくらか?

この手術件数は、弁護士では、解決実績数になります。この数が多いほど良いと言えるでしょう。

場数を踏むと、先を見通すことができます。示談ができるのか?不起訴を獲得するにはどうすればよいのか、時々刻々と変化する状況に応じて先を見通して、手を打ってくれるのです。

弁護士も色々・・・

「債務整理」といった、民事中心にいつも業務を行っている弁護士もいます。また、企業法務(契約書関連)しかみていない弁護士もいます。

弁護士といっても様々なので、刑事事件を中心に取り組んでいる弁護士に依頼するのがよいでしょう。

②使命感をもっていること

刑事事件は、スピード勝負です。起訴不起訴の決定まで、22日間しかありません。即日、被疑者に接見し、土日祝日、深夜でも活動し(警察署の弁護士接見は、土日祝、深夜も可能)、現場の調査や関係者との面会に飛び回る。多数の仕事を、短期間にこなすのは、熱心な弁護士だけです。

熱心な弁護士であること

刑事事件は、件数も少なく、弁護料や報酬も安いことが多く、お金にならないとして敬遠されることも確かです。

そんな中で、刑事事件に熱心な人は、「弁護士の使命」として、「刑事事件弁護に情熱を持っている」、「刑事事件弁護が生き甲斐」という場合が多く、そのような弁護士を見つけることができれば幸運です。

例えば、刑事事件の相談件数は3,800件に超え、解決実績が豊富な東京新橋に本店がある「刑事事件に強い弁護士」の法律事務所ホームページには、「弁護士の力量と熱意を感じてください」と記載してあります。このことからも、刑事事件を専門とする弁護士は、熱血弁護士タイプが多いことが分かります。

参考サイト:弁護士法人 泉総合法律事務所

③スピード勝負

また、スピード勝負であるから、当然ながら、「フットワーク」が軽く、「土日」にも臨機応変に対応できる状態である法律事務所であることが必須条件となるでしょう。特に「金曜日の夜」に、お酒の絡んだ痴漢事件、傷害事件、盗撮事件が起きやすいので、土曜日、日曜日が休みの事務所は、これらに対応できないと言えます。

自然と、刑事事件に対応するには、複数の刑事事件専門弁護士を土日でも動ける状態で抱えており、拠点数も豊富に連携できないと、警察署や裁判所、検察へ加害者弁護にタイムリーに対応することは難しいと考えた方が良いでしょう。

人的リソース、拠点の規模が重要になります。

スピーディーに対応できる専門知識

被疑者との接見、勾留の阻止、釈放、不起訴を目指して被害者との示談など、刑事事件弁護士の役割は多いです。面会、被害者との示談交渉、保釈申請、公判手続き、勾留阻止と準抗告など多岐にわたります。

専門的な知識がないと、スピーディーに対応ができません。

④コミュニケーション能力が重要

外科手術や家の建築であれば、腕さえ確かなら、尊大な医者や頑固な棟梁でも、黙っておまかせして良いかも知れません。

しかし、弁護活動は、モノを造るのではなく、人を説得して動かすコミュニケーションです。横柄で話に耳を貸さない弁護士では駄目です。逮捕されている本人の話さえ、きちんと聞いてくれるかどうか心配です。示談どころか、被害者を怒らせ、事態を複雑化する危険さえあります。

家族らに対し、弁護方針、見通し、手続の説明など、素人でも理解できるように丁寧に話してくれる方かどうかも重要なポイントです。「素人は黙っていろ」では、先が思いやられます。

⑤刑事事件の委員会で活動、刑事事件の専門家として有名

日弁連刑事弁護センター、弁護士会の裁判員センター、刑事弁護委員会のような刑事事件の委員会で活動している弁護士かどうかは、ひとつの目安です。

もっとも、若手が、先輩や派閥の都合で、興味もない委員会に押し込まれてしまう場合や、中堅ベテランで民事事件を多数抱え、刑事事件のことを忘れたくないから参加している場合もありますから、絶対の基準ではありません。

刑事事件関係の著書の有無も目安になります。本の中身を読んで、その弁護士の情熱や経験を知ることができます。社会的に良く知られている、刑事事件の専門家として有名であるというのは重要です。

刑事事件を詳しく解説できる本を出版できる弁護士は少ないので、おすすめ、です。

⑥元検察官(元検事、ヤメ検事)がいる弁護士事務所

元検事がいる弁護士事務所は、刑事事件に強い弁護士事務所だといえるでしょう。

検事は、刑事事件について捜査を行い、その上で被疑者を起訴、もしくは不起訴にするかを判断します。
その後、「起訴が相当」という判断に至れば、刑事裁判(公判)が行われ最終的には求刑が行われます。

つまり、弁護士は、検事とはまったく違う役割(不起訴、無罪、勾留阻止)を行うわけであり、相反する立場の検察官の業務を知っている事務所は、強みがあるといえるでしょう。

⑦依頼者に寄り添えるか?

刑事事件は、つい出来心で、とか、魔が差してしまって、といった形で、犯罪に手を染める人もおります。

人間は弱い存在ですから、そのこと自体は責められないことです。そういった人としての確かに巨悪に手をそめたかもしれませんが、依頼人の後悔する心、反省する心、改心して再出発を図ろうとする心を理解し、寄り添える弁護士であることが重要です。

お前は罪をおかした!と裁く心で接する弁護士は、言い方もきつくなりがちで、コミュニーケーションがとりづらくなることがあります。

こういった依頼主に寄り添う心をもっているか?が重要です。

⑧ホームページで刑事事件の弁護士費用を提示している事務所

在宅事件なら話は別ですが、身柄事件となると時間がないため、依頼者は焦っています。それを見透かして、無料相談の面会時に、突然、着手金100万円ですと言われるかもしれません。弁護士費用の相場はわからないことが多いので、無知を付け込まれるかもしれません。

一方、安心価格の着手金20万円で弁護してくれる、力量が確かな刑事事件専門弁護士もおります。ホームページで、明瞭に安心価格を提示している事務所なら、法外な着手金を心の準備のないまま請求される心配はいりません。

家族の重大事ですから、安易な妥協で後悔しないよう、高値づかみしないよう、安心価格で、確かに信頼できる刑事事件専門弁護士をネットでよく探しましょう。

刑事事件弁護士のホームページを見る注意点

今では、刑事事件の実績をネットで広告、ホームページ集客している事務所も多くなりました。

「刑事事件 弁護士」と検索すれば、多くの法律事務所が表示されます。もちろん、力を入れている、経験もあり自信もあるからホームページ広告を出しているので、全く刑事事件を取り扱ったことがない弁護士よりは、安心して依頼できるでしょう。

また、弁護士は、広告規制があるため、有利誤認、優良誤認にならないよう、言葉一つ一つ気を使って作成されております。よって、美容系サイトやダイエットサイトに比べたら、法律事務所のホームページ掲載されている、専門弁護士の人数、解決実績数、相談件数のデータは信頼ができると言えるでしょう。解決実績数が多い事務所のほうが安心して依頼できるといえます。

ただ、ネット検索も、もちろん目安になりますが、広告はあくまで広告です。検索上位にヒットしただけで盲信してはいけません。

最後は刑事事件弁護士に実際に会って自分の目で選ぶ

ネットの口コミ、法テラスや弁護士会、自治体の無料法律相談等での相談など、弁護士を知る機会は、格段に増えていますが、どんな人間なのかは、実際に会って確かめるしか確実な方法はありません。

会ってしまえば、断りにくい雰囲気となるのは当然ですが、「他の事務所にも相談をしていて自分にあった弁護士を探している」ということを正直に伝えれば問題ありません。無料相談を受け付けている事務所が増えましたから、フィーリング遭う事務所、話をよく聞いてくれる事務所、料金体系をしっかり説明してくれる事務所を選べば後悔しないで済むでしょう。

何名かの弁護士と会って、信頼できる方に出会うことができれば、依頼するとよいでしょう。

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